ゲイ

 

 ワシの子供が高校を辞めた。

その時、イロンナ人の声を聞いた。

「いいのよ。人生は長いんだからね」

 はぁー、「いいのよ」って、ワシよくないとは思っていないですけどぉー。

高校を辞めるのは良くないと、思い込んでるのは、おめぇじゃねえのけ?

「大丈夫よ」

っていうことは、何か大丈夫じゃねえってことかよ。

「子供の気持ち、分かってあげてね」

 って、よぉー。あんたに言われる筋合いなんですけど。

ワシ、分かろうとしてねえってか。

「見守ってあげてね」

って、ワシが見守ってないと思ってるのか。

 で、「あげて」っちゃ、どういうことでぇ。

おめぇに頼まれる覚えもなければ、子供にあげるつうこともしたくねえ!んだ。

 大体が、〜して“あげる”ちゅう言葉が、ワシは嫌いだ。

最悪だったのは、「あなたの子供なんだから、ちゃんと面倒みてあげるのよ」

何、上からモノ言ってるんだか。ワシは、やりたいことを、ただやる。

見返りを求めたくない。

それは、ボケが、自分が見返りを求めているということに気付かず

「だた、幸せになってくれればいいの」なんて、いうようなことじゃなくて、

ワシは、やりたいようにやる。その結果はどうなってもいい。

いや、いいって言った時点で、もう評価してる。

 それでいい、てなことも言いたくない。

 

 って、何を騒いでいるんだ?って話だな。

以前、ゲイの人がテレビに出ていた。

 そこで、その人が、言われて一番イヤだったのが「大丈夫ですよ」「いつか治りますよ」

「色んな人が居るんですよ」など、ゲイを肯定しようとしたり、慰めようとする言葉だと

言っていた。

 それを聞いた時、モノスゴーク納得した。

 

今日、新聞に本の紹介があった。

“ゲイ・アイデンティティ”抑圧と解放 デニス・アルトマン著

 40年前の本で、そこに「自分はゲイに寛容だと考えている人ほど、内心は嫌悪感で

いっぱいだ。そんな上からの憐憫(れんびん)はいらない」と著者が言う。

「それよりも、何が正常で何が異常などとすぐに決め付けず、相手の身になってじっくりと考えてみて欲しい」と。

「どんな人も実は異性愛かつ同性愛である」とフロイドは言う。

 てな評を読んで、以前のことを思い出した。つうワケだ。

 

 キチガイは、「自分は気が狂ってない」と断言するらしい。

酒飲みが、「自分は、まだ、酔ってない」と回らぬ口で言い出した時、酔っている。

 

 ワシは、自分がオカシイのではないか?と思いながら、実にノーマルだと思っている。

ワシ、今シタタカに酔っている。

 ちゅうことは、どーいうこと?