ぎっくり腰

 よーし、何でも書いてやるぞ!と覚悟した途端、ぎっくり腰になった。

偶然なんだろうが、私はこういう時に、必ずといっていい程ぎっくり腰になる。

 偶然が3回続くと迷信ジンクスになるというが、このぎっくり腰は3回などでは納まら

ずある。

それ程ぎっくり腰になりやすいという訳でもない。

 では、どういう時にぎっくり腰がおきるのかというと、私が霊的な話しをした時、

しようとした時だ。こんなことを話していいんだろうか?と自問自答した時に、おきる。

 今回、こういう状態になっているのもそのタメなのだろうか?と思う。

だからこそ、あの話しを書いてやろう。

 

 ぎっくり腰になった記憶が強いのは、7年程前のことになる。

東京で次女と一緒に住んでいた長女が、勤めの関係などで違うアパートに引越すことに

なった時のことだ。

 新しく借りたアパートの礼金敷金家賃は自分で用意したが、引越しは親である私たちが

手伝うことにした。

 夫がライトバンを出し、それで荷物を運ぶことになった。

大した荷物でもなく、長女が自分で荷物を箱に詰めて準備をしていた。

引越しの朝だった。

常識から考えると、前日から泊り込みで散らかっていたマンションの掃除や洗濯をした為

の疲れということになるのかもしれない。

 さあ、出発しようとしたその時、ギクッとなって身動きが取れなくなった。

娘は、「手伝わなくても大丈夫だし、来なくていいよ」と言ったが、私はどうしても行かな

ければならない気がした。

 それは、娘がこれから住む場所を確認したい、という気持ちだけではなかった。

そこに着いて車から見上げたアパートは、私から娘を取り上げようとしているように感じ

られた。

 娘の住まいは7階だった。

幅も奥行きもないのに高さだけはあるアパート、動かない身体をそろそろと動かして

エレベーターに乗り、部屋に入った。

 そこのアパートに娘は、2年住んだ。

随分ヤンチャなこともしたらしいが、初めて自分の力で生き始め、人生を謳歌していると

感じ嬉しかった。でも、命が危ない気がしていた。

 私は、そこに5回位行った。

そして、その度にぎっくり腰になった。

 そこは、私が行くことを阻(はば)んでいた。

私が、そこに泊まった時は、毎回娘には用事が出来た。そして、一緒に居られなかった。

 娘が初めて一人暮らしを始めて、その暮らしぶりが人間的でなかったこともあるのだろ

うが、得体の知れないモノが住んでいた。

 そこのベランダにだけ、鳩が住み着いていてフンの山だった。

私は、1日かけてベランダを掃除し、部屋を掃除し、風を通し、台所を磨き、食料品を

棚に並べて帰宅した。

 その度にぎっくり腰になったのは、常識で考えれば疲れだろう。

でも、何もしないでノンビリして帰ってきてもぎっくり腰になった。

仕事の帰りに電車を待つ間、娘は毎日のように電話をしてきた。

娘が、「夜、寝てたら、隣になにかが寝てるんだよ」と言ってきた。

それは、“生きもの”ではなかった。

2001年に私のスイッチが入った。

医学的な異常はなかったが、死の世界を感じた。

それを契機に娘が、帰郷した。

 私の身を案じての帰郷であったが、東京のナニモノかは、娘を取り戻そうとして暴れて

大変だった。

って、こんなことを言ってもなんのことだか、分かんねえだろうなー。

 はっきり書いてやりたいんだけど、書きようがないんだよねぇ。

まあ、おいおい書いていくから。