標的の村

 

 先日、“標的の村”というドキュメンタリー映画を観た。三上智恵、監督

 

 太陽の光、風、草木がなびく音  ざわわ〜♪ざわわ♪ざわわ〜♪

走り回る子供、川の水音、沖縄民謡、人の暮らすザワメキ。

 

 2010年、沖縄、東村(ひがしそん)高江の住民が新型輸送機、オスプレイ

(オスプレイはその操縦の難しさと危険度から、別名“未亡人製造機”と呼ばれている)

の新たな着陸帯建設に、に反対して座り込んでの抗議をしだ。

 

 そこで国(日本)は、住民を「通行妨害」として「SLAPP裁判」で訴えた。

<SLAPP裁判>とは、国策に反対する住民を国が訴える。

力のある団体が声を上げた個人を訴える。などの、弾圧、恫喝(どうかつ)目的の裁判

のことで、アメリカで(さえ)も多くの州で禁じている。

 国民を守るべき国が、日本の国が高江の住民をSLAPP裁判で訴えた。

 

 日本は戦後、高度経済成長を続けた。

私は幼い頃、日本人は勤勉で働きものだからこんなに豊かになったんだ。と聞いてきた。

 それが、実は、朝鮮戦争やベトナム戦争の兵器を作って大儲けをして豊かになった。

と聞くようになった。

 

ベトナム戦争(1960年〜1975年)当時、沖縄にはアメリカ軍によってベトナム

村が造られた。

そこでベトナム人に扮装した沖縄の人達が、アメリカ兵がベトナムで行う戦争の

シュミレーションの相手をした。という。

 最近、テレビでそのベトナム村に居たというアメリカ兵士、クリス・ロバーツが出て

いた。

彼は、実際にベトナム戦争には行っていないのに枯れ葉剤による症状(ガン)が出て

苦しんでいて、沖縄のベトナム村でも枯れ葉剤を使っていたのではないか。と話していた。

 戦争兵士も、すべて被害者なんだなぁ。

戦争兵士を映像で観ることがある。戦争なんてしなきゃいいのに。と思う時。

 そうせざるを得ない、そこから逃げられないその人の気持ちは分かっていない。

今、沖縄の小さな村の上を、山や家のすぐ上をヘリが轟音を上げて飛ぶ。

そして、数多くの化学兵器が保管され、廃棄されている。

 

 分からないということは恐ろしいことだ。

恐ろしいという事さえ分からないでいることに、私は耐えられない。

なので、調べる。そして、ちゃんと怖がりたい。

ちゃんと怖がりたい人!集まれ〜!

 

 1945年敗戦

 

 1951年 9月 日本はサンフランシスコ講和条約に調印する

    それは「連合軍のすべての占領軍は90日以内に日本国から撤退しなければ

ならない」というものだ。なのに、

 1952年 4月 日本は独立を回復する。と、同時にアメリカとの「旧安保条約」を

発行する。(ばーか)

 そして、「地位協定」を結ぶ。(あほ)

地位協定とは、米軍の強大な権限についての取り決め。

      内容は、日本の全土基地化 と、 在日米軍基地の自由使用。

 1960年 には「新安保条約」発効(何やってんだよぉ)

 1972年  沖縄返還

 

 だけど、沖縄は日本に見捨てられたまま今に至っている。

 

知ってる? 日米地位協定を見直さないけ?って、アメリカは言ってるって話。

辺野古の基地も、何もあそこじゃなくてもいい。って、アメリカは言ってて、辺野古に

置いていたいのは、寧ろ日本だって?  ホント?

 

 地位協定って変えられるらしいよ。

やっぱり戦争で負けたドイツもイタリアもアメリカと地位協定を結んでいる。

だけどその2カ国は、アメリカに何度も掛けあって交渉を続けて、基地の中の治外法権

から立ち入り検査出来るようにしたり、ヘリの飛ぶ場所を規制したり飛ぶ時に連絡報告

することを義務づけることに成功してるんだってよ。

 「私は自分の国を守ることに誇りを持っていますから」ってその大臣は言ってた。

 (日本もやれよぉー)

 

 ある国が滅亡した時の言葉。

「違う思考と意見を持つ者が育たなかった、育てなかったことが滅亡の原因となった」

って、

 そして、対立意見に耳を傾けることは、表現、言論の自由の基本だ。

 

砂川事件とは、

 1957年 砂川(東京立川基地)で米軍拡張工事の反対デモで敷地内に入ったと

7人が逮捕される。

1959年、在日米軍が憲法九条2項で持たないことを定めた「戦力」に該当するため

その駐留を認めることは違憲である。と、伊達秋雄裁判長は被告全員を

無罪とした。

いわゆる60年安保や70年安保の原点にもなったとされる「伊達裁判」だ。

(よぉーし!)

  がぁ、がぁ、がぁ、判決が出た翌日3月31日、マッカーサー(終戦の時のマッカー

サーの甥)駐日大使が、朝8時日本の外務大臣と会談し、何やらかんやらで

一審破棄となり、田中長官の「来年の初めまでには判決を出せるようにした

い」という言葉通り12月16日、伊達裁判は覆された。

これが、「砂川事件」だ。

  うっそだぁー。と思う人が居るかもしれないが、2008年にはその裏工作の実態が

アメリカの公文書から明らかとなり、その内容についてもマッカーサー大使自身が語っ

ている。

 

 日本地位協定を世間に知らせる作家、前泊博盛氏は、本の中で

「日本は法治国家ではない」とまで言っている。

 

 国は、国民に事実を知らせる義務と権利を持ち、国民はそれを知る義務と権利を持つ。

その事実を隠ぺいしたり、力でねじ伏せて突き進むことは犯罪だ。

 

 自民党は、集団的自衛権を合法にする為に砂川事件での判決を利用しようとしている

ようだが、砂川事件の本当の事件は力を持つモノからの圧力によって事実が捻じ曲げ

られた。という事にある。

原発の色んなこと(ちゃんとした説明がなく、住民の同意を得ず、誤魔化しとねつ造で

ごり押しで進み、隠ぺい工作、情報操作など)を、若しかしたら、国と国民は分からない

振りをしているのか?

 事実を知らされず、勉強せず、誤魔化されていることにも、騙されていることに気付

かずうかうかと暮らす多くの人々。

国も国民も分からないでいるなら間抜け、知っていながらやっているなら極悪非道。

 

 「集団的自衛権は違法(憲法違反)である」と憲法学者が次々と声を上げている。

最初、数人だったその声が22人まで増えたと先日聞いた。

 自民党の一部の者によって、砂川事件を利用して違法の道が拓かれようとしている。

一度認められるようなことがあったら、そこからは次々と次の違憲が現れることは必至だ。

 戦争体験者が、みな一様に「戦争だけはしてはならない」と口を揃えて言う。

そして、「一度始めてしまったらもう後戻りは出来ないから、絶対にそうならないように

しなくてはならない」と。

 イジメは、最初は小さなからからかいから始まる。という。

同じように見えるふざけ合いでも、いじめに繋がるモノは早いうちにその芽を摘まなけ

ればならない。という。

 戦争も同じなんじゃないか。と私は思う。

戦争に向うモノはその芽が小さいうちに摘まなければ恐ろしいことになる。

 集団的自衛権、特定秘密保護法、は戦争に向かう突破口だ。

原発、基地の構造でもある人間への尊厳が存在しない経済第一主義、裏工作、隠ぺい、

ねつ造、秘密主義、圧力、といった“構造、体質”こそが、戦争へと導く。

戦争に戦後はない。終わった瞬間から戦前になる。という。

本当に戦争がなくなった時が、初めての戦後なのだ。

 

 事実を知り、知識を持ち、それから考えて自分の意志を持った人だけが選挙をしたら

いいんじゃないかと思っていたが。

いや、間違い、ミンナが事実を知って、考えて、決めて、選挙したらいい。

 

 ナチスは、ドイツ政府によって「憲法に違反する法律を制定することが出来る」という

法律を制定し、当時世界有数の民主的であった“ワイマール憲法”は機能停止となった。

(おっかねぇー、って、今の日本も同じじゃねえのか!)

 

 事実を見ようとせず、知ろうとせず、目先の甘言に乗って楽な道を歩く者は何時か

その付けが回って来る。あのフクシマ原発のように。