言いそこ間違い

 

 20代後半になる次女が、小学2年の時、建て増しして次女だけの部屋が出来た。

その屋根裏に遊びに来ていた友達と上がって、天井板をぶち抜くという我が家の伝説に

残る事件があった。

 上りそうな予感がしていた私は、「登ってはダメだからね」とクギをさしていたが、

その日遊びに来ていた同級生と一緒に天井に上り、天井をぶち抜きそこにぶら下がった。

 遊びに来ていた中のリーダー格の子は、

「オバサンごめんなさい。私がやめろって止めればよかったんです」と言ってみんな

早々に帰っていったが、そこに一人残った塚石の娘エリちゃんが、青い顔で

「オバチャン、美樹ちゃんが悪いんじゃないよ。

上らないと遊んであげないって言われて仕方なく上ったんだよ。美樹ちゃんはいやだって

言ったんだよ」と言ったことで、

「止めろって言えばよかった」と言っていた子こそが、脅し先導していたという事が

分った。

 ぶら下がった下には、机の上にむき出しのミシンがあって、落ちていたら直撃だった。

その話をすると、塚石は「落ちそこなって、良かったね」と言った。

「何だってー? 落ちそうになって良かったってぇ?」と言う私に

「違うよ。“落ちそこなう”っていうのは、“落ちそうになった”けど“落ちなかった”

ってこと、だから落ちそこなって良かったって言っているんだよ」と、愛知県生まれの

塚石は言うのだが、私には理解出来ない。

 狭い日本のようだが、お国柄というか、お国言葉というのは千差万別で同じような台詞

が、全く違う意味になることがある。

ホッキ貝をボッキ貝と言う地方があるとは知らなんだし。

塚石の言ったことで分らなかったのが「はよ、マワシして!」で

(マワシをしろとは何だ?相撲取りじゃねぇんだから、マワシなんて出来るかい)と

思っていたら、マワシは用意って意味だった。

「ボタンかって!」も分らなかった。

ボタンを何処で買うのか、と考えていたら、ボタンを掛けてくれって事だった。

 

 そんな塚石は、“言いそこ間違い”(こんな言葉あるのかな)が、多い。

この間違いようは、国宝級じゃないかと感心する。

@     キャライヤ・マリー

A     ジャイケル・マクソン

B     アンジョリーナ・ジェリー

C     カピス海ヨーグルト

D     ジョン・ベンソン

はい、何処がおかしいでしょうか。声に出して読んでみて下さい。

 

正解は、マライヤ・キャリー。マイケル・ジャクソン。アンジェリーナ・ジョリー。

カスピ海ヨーグルト。ベン・ジョンソン。でした。

 

 そんな話をしていたら

ケーキ屋で「モランボン下さい」というお客が居て「モンブランですね」と何回言っても

「そう、モランボンです」と言うので(焼肉のたれは、ケーキ屋にはありませーん)と

心の中で言っていた。とか、

ナポリタンを頼もうとしているらしい人が「ナポレオン下さい」と注文していて

吹き出しになって困った。とか、

スタバをタバスコと言う人がいたり、ピラティスをティラミスと言っていた。なんて

いう話が次々と出てきた。

 

ポプリをポリーブ。

ユニセックスをフリーセックス。と言う人の話は、以前にも書いたが、

 

以前、テレビのアナウンサーが大真面目な顔で

「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。

春のナナクソでした」とはっきり言うのを聞いた時は、一日、笑いが止まらなかった。

 

 人の失敗や間違いを笑ってはいけない。っていうけど、笑わないでいられる?

 

 追加

<黒い帽子さんの義母>

居酒屋で「マッコリ」を注文する時、大声で「モッコリお願いしまーす!」

それから、黒い帽子さんはマッコリを見ると笑いが止まらなくなるという。

 

<五六八さんの友人>

言いそこ間違いの天才の最高傑作

「ティファニーで定食を」