ウカジ

 

 夜になると早々と眠くなるようになったのは、何時からだろう?

昔の私は、夜が更ける程に元気になりこのまま何処までいけるのだろうと、我ながら

感心したものだった。

 それが今は、8時9時にどうしようもなく眠くなる。

以前の夜明けは、徹夜で遊んだ後に見たものだが、今は早々眠り、夜明け前に目が覚めて

日の出を見ている。

 とはいえ、夜はなるべく起きているように努力している。

何故かというと、あまり早く眠ると2時3時に目覚めてしまうのだ。

 で、布団に横になってテレビを付けて、それを見ているような、見ていないような、

眠っているようでありながら、起きているようでもある時間を楽しんでいる。

 

 その曖昧模糊(あいまいもこ)とした時間に、ふと気が付くとさんまの“恋のから

騒ぎ“という番組が放映されていた。

 そこで「自分がいい女だと思う時」という“お題”に答える女が居た。

その人は、彼氏のアパートだかに行って、夕飯を作ろうとスーパーに買い物に行って

同じような若い女が買おうとしている、レジカゴの中にある物を覗くんだそうな、

そして、その中身でその日の献立を推理し、自分の方が上等な料理が出来ると思った

瞬間、自分はいい女だと思うのだと話していた。

キャー、ビックリ!

人のモノを覗くというみっともない行為、最低の女の前に、最低の人間じゃないか!

 そして、何かを比べるということが、卑しいことだという自覚はないのか!?

 

その時、さんまの質問で誰かの携帯電話をこっそり見るという女が、多数いたが、

覗きは犯罪であり、見たいという自分の欲望を抑えられないという未熟な人間の卑しい

みっともない行為であるということを知らない女たちがそこに居た。

 いくら容姿がきれいであっても、美しくはない、心の醜い女たちだと私は思った。

という話を知人にした。

 すると、それを聞いていた知人が、

「あたしも、この間、その番組にウカジが出ているのを見たのよ。

でもね、あの番組は“から騒ぎ”っていうくらいで、物事を深く考えないで楽しく騒ぐ

番組なんじゃないの?

ウカジもあなたと同じで、女の子たちが軽いことばっかり言うのを聞いて、一々、

「それは、間違ってるよ」とか「それでいいのか!?」って真面目に答えていたけど、

時と場所ってのがあるでしょう、ウカジはあんなトコには出ない方がいいかもね」と、

知人は言った。

 そうかな?

そういう、その場にそぐわない人が、そこに居るっていうのは面白いし、いろんな意味で

危険であって危険じゃなくなるんじゃないのかなぁ。と私は、思ったのでありました。

 

キャッキャキャキャ、ワフォーン、ニャニャニャニャン〜(恋のから騒ぎのテーマ曲)