事故

 朝帰りの37歳男性が、車の脇見運転、前方不注意によって、

園児と保育士の群れに突っ込み、死傷させる事故があった。

 

 酒酔いで車を運転していた男性が、酩酊によって正常な運転も判断も出来ず

家族連れのワゴン車に激突し、傍らの海に落とし、幼い命を奪った。

男はそのまま車で逃走し証拠隠滅を企んだ。

 

 今後こういった事故は増加すると思う。

注意力散漫、自己管理が出来ず、何事も人任せ、何かあったら人のせい。

本当の意味で自信がなく、自信の持てる生き方をしようとせず、その方法を知らない。

決まり約束事を守らず、弱いもの(女子ども障害者)をないがしろにし食い物にする。

何事にも敬意を持たず。危機管理の能力がなく、思いやりも気遣いも持たぬ人。

そういう人が事故を起こす。そして、その事故は、被害を甚大にする。

何故なら、とっさの判断が出来ない。

被害を食い止めることや、そこで何をすることが一番大事かを考えず、保身に走る。

そして、注意力欠如によって起きた事故ほど、何の手立てもないまま放置されることに

なるのだ、その時一番見近に居る、注意力欠如の加害者によって。

 

 大体が、子どもの教育、育て方、躾が、間違ってきていると痛感している。

子ども、幼児が転んで柱やテーブルで痛い思いをする。

そこで、大人は、「このテーブルが悪いねー、バカ!バカ!」と叩いて見せる。

それを見ると、私は怒り心頭

(バッカじゃなかろか!テーブルは動いてねえ、自分が気をつけることを教えろ!)と

思ってきた。

歩行器が、子どもをダメにする初めだった気がする。

何処に寄り掛かってもガラガラと子どもに合わせて動き、その周りを丸いガードが

保護をしている。

捨て鉢になって暴れても、何処にもぶつからず痛い思いをしない。

親が忙しくて子どもを見られない時、見ているのが面倒な時、歩行器に入れる。

そこに入れられた子どもは、腹を立ててふんぞり返ることもあるが大体は諦め、

よく立てもしない足でガラガラと動きまわることになる。

身体をすっかり預けてしまって、自分で注意することをせず、コントロールしないでも、

転んだり、何かにぶつかって痛い思いをするということがない歩行器。

本来、子ども(幼児)というのは粘り強いし、諦めないで動くものだ。

そして、自分で動くことで、経験することで1つ1つ覚えていく。

大人はそれを見てじれったいと思うだろうが、老人や病人が、昔の自分の自由さを知って

いるのと違って、幼児にとっては総て初めての経験で、不自由ではない。

 

年頃になった子供もまた然り、自分が責任持つべきことを大人が守る。

まるで歩行器のように…。

自分の部屋に親の作った食事を運ぶ。食べたら食べっぱなしで、空の食器は下げない。

勿論、自分の食器を洗うこともない。何でも出したら出しっぱなし。部屋は整理しない。

家から外に出ると、親に気を使わず敬意を持たぬように、他人に対して社会に対して

敬意も感謝もなく、迷惑を掛けることに頓着しない。

大きな声で騒ぐ。道に広がって歩く。自転車で蛇行し、横並びで歩道を走る。

夜でも大声を出し、民家近くで花火を打ち上げる。

挨拶をしない、返事をしない、礼を言わない子供。

その親が言う。「最近の子はこんなもんなのよ」

子供に教えることを放棄し、働かないでも親が食べさせ面倒をみる。

「何が欲しいの?」「何がしたいの?」「どうしたいの?」「どう生きたいの?」

親にとっては、子供である、成人した人間に聞く。

 

万引きした子どもと親が言った。

「そこに万引きしやすいように置いてあるのが悪い」

店の段差で足を取られ、転んだ人が言う。

「どうしてこんな所に段差があるのか?!こういうことは許されない」

スピード違反で捕まった人が言う。

「みんなやってることなのに、運が悪かった」

酒酔い運転の人が言う。

「大丈夫だよ、今まで失敗したことがない」

 甘い認識、自分中心の思考回路。

 

気に入らない人には返事をしない。

他人の物は乱暴に扱い、自分の物には神経質なほど気を使う。

弱い者には、乱暴な口を利き、自分の思い通りに動かそうとする。

自分の出したゴミを置き去りにする。

人生を甘く見て自分の欲望に流され、その思い上がりに気付かず、自分は普通だと言う。

そういう人にとって自堕落なことは普通とされる。

 

万引きする人が言う。

「こんなとこにあったら普通、誰でも盗るよ」

盗らないことが、普通だと考える人も居る。

「普通の人はゴミなんか持ち帰らないよ」

「普通、そこまで気を使わないよ」と便所を使った後は振り返らない。

洗面所も汚したままが当たり前。

 

しょっちゅう約束を破りルールを守らない人が言う。

「人間、そう完璧には生きられないわよ」

あなたは、約束を守ろうと心がけていますか?

先ずは、破らないようにしようと思っていますか?

自分がそうされたらどう思いますか?

 

車の運転をしながら携帯電話で話す。酒を飲んで運転する。スピードを守らない。

車を駐車場に止めない。

「だって、面倒臭い」「その位、誰だってやってるよ」

そうだろうか?やらない人も居る。

「そいつは、変わり者だよ。友達、居ねえんじゃないの?」

 

子どもが、店の商品で遊んでいた。

店員が、「触らせないで下さい」とその母親に言うと

「失礼しちゃうわね。もうこんなとこで買ってあげない!」と子どもの手を引いて

店を出て行った。

「子供が触って嫌ならそんな所に置かなきゃいいでしょ!」

「人に恥をかかせて、あの店は流行らないわね」とその母親は言う。

本当の恥は、子どもを躾けられないこと。人に迷惑を掛けて平気なこと。

事実を指摘されて、逆切れして怒ること。

「だって、あんな言い方ってないわよ」

店員の言い方は、丁寧だった。

自分を振り返らず、反省することなく、相手の欠点を見つけようとして躍起になっている。

その母親に育てられた子供も自分を反省せず、人の落ち度を捜して因縁を付ける人間に

なるのだろうか…。

 

そういう人に育てられた人で、そんな親が嫌だという人が居る。

親を反面教師とした。

人は例え親兄弟、子供だって思うようにはならない。

出来るだけのことをした上で、思いを伝えた上で、

自分が変わればよい。自分が育てば、それだけで良い。

 

 歩行器や育て方、親や先生、時代のあり方に文句を付けることは、

それもまた何かのせいにすることかもしれない。