邪魔猫

梅雨に入ったとニュースのあった日 晴れ男来る

男の手に 紫になった傷跡

預かり猫に 噛まれたのだと言う

外国に行った息子の猫が 懐かない

家猫とは 雄雌なのに 仲が険悪

よそ者のくせに 大威張り

先日 朝っぱらから 家猫と大喧嘩

家猫をかばって よそ猫だけを追い払おうとしたら 反撃

身構えた晴れ男の手に 噛み付いた

まだ敷かれてあった布団に ピューと血が飛ぶ大惨事

 

大きくなってからの猫は懐かないという

どうしたらいいでしょうね と彼

 

懐かない猫の手懐け方

餌を与えず 腹を空かさせてから

手の甲にバターを塗って舐めさせる

それだけ

 

動物は 舐めて愛情を感じ始める

舐められて 愛情が出てくる

 

愛するモノを 守りたかったら

嫌いなモノを 大事にすること

 

汝の愛するモノを愛するように

隣人を 敵を愛しなさいと キリストは言った

訳し方は愛だったが

本来は お大切にしなさいという意味だと聞いた

愛は 大切に思い 大切にすると

自ら現れる

 

梅雨の 雲の 間から

青空が 顔を出した

やっぱり 彼は 晴れ男