弁当
ボランティアの語源は、ボルケーノ、火山からきているという。
火山の噴火のように溢れ出す思い、行動を起こさずにいられない気持ちからくるもの。
海外で貧しい人たちの支援活動、ボランティアを行う人たちが、
そこの子供たちをハイキングに連れて行った。
毎日大人と一緒にゴミの山を歩き、使えるものを見つけ、それを売って生計を立てる。
食べるのがやっとの貧しい暮らし。
学校にも行かず、身を粉にして働くことは、彼らにとっては当然のこと。
ボランティアの人たちは、子供たちを一時でも喜ばせたい、楽しんでもらいたいと
彼らを連れてハイキングに出かけた。
子供たちは遊んだことがない、戸惑いながらも喜び、戸惑う程楽しかった。
そして、昼食の時間になり用意された弁当が配られた。
弁当を手にした子供が、その中を覗いた。
しかし、そのフタはすぐに閉じられた。
申し合わせたかのように次々に閉じる弁当のフタ。弁当に手をつける子は一人もいない。
「どうしたのか?」と問うと
「こんなキレイな食べ物、見たことない」と子供は言った。
「家に持って帰って、みんなに見せて家族みんなで食べる」のだと言う。
彼らは本当に貧しいだろうか?
家族を愛し思いやる心を持つ彼ら…。
ボランティアの所に、大量の古着が送られてくるのだという。
それを現地に送るには膨大な費用が掛かる。
しかし、その費用が送られてくることはない。