ファーストペンギン

 

 “香港に栄光あれ”という歌が流れていた。

平和と民主主義を望む歌だった。

胸が震えた。

 

それを作ったのが誰かは、分からないようにしている。という。

誰が作ったのかを知るとその人の顔を思ってしまうが、誰が歌っているかでなく

民主主義を思い出して欲しい、真実を求める想いを自分たちが求めている。ことに

気が付いて欲しいのだという。

 彼らは、リーダーはいらない。という。

ヒーローはいらないんだ。という。

 

 思考は、言葉になり、言葉は、行動となる。

行動は、その人の習慣となり、性格となる。

 そして、性格は、その人の運命となる。  と、いう。

 

 知らないことを分からずに生きる人が居る。

しかし、分からないで生きて居ることを知った時に、

それを、恐怖と感じるか、面白いと思うか。

恐怖は、感情で、面白いという思いは、意識だ。

 悲観主義は、感情で、楽観主義は、理性である。と聞いたことがある。

 

 分からない不思議な事に出会った時、ワクワクする。

この世は、分からない事で満ちている。

面白いねぇー。

 

ファーストペンギンという話を聞いてきた。

海の中には、シャチなどの危険なモノが潜んでいるかもしれない。

そこに最初に飛びこむペンギンを、ファーストペンギンという。

 

で、ファーストペンギンの映像を観た時があった。

ワイワイと断崖に押し合いへしあいしているペンギンの群れ。

そこで、1羽がツルリと足を滑らした。

そう、正に滑らしたのだ。

飛びこむというより横滑りで、そのペンギンは海に落ちた。

そう、あれは、飛び込んじゃいない。確かに落ちた。

その瞬間、間髪入れずにペンギンの群れは一斉に海に飛び込んで行った。

 

あのペンギンは、勇敢なのかマヌケなのか。

どっちかじゃなく、どっちでもないのかもしれない。

 あの映像を観る前、勝手な思い込みがあって、ヒーローとかリーダーって特別な存在で

選ばれたモノ。みたいな特別感を持っていたが、観た時に思った。

 特別なモノなんてなくて、たまたま、神の采配なんじゃないか。と。

 

 私は、誉める人も誉められている人も、好きでない。

自分が誉められるのも、まっぴら御免だ。

そこには事実があるだけで、それが、良いとか悪いとかは個々の主観によって変わる。

 

 香港の歌を作り、歌っている若者達。

若しかして、ファーストペンギンなんじゃねえの。

 これからの世の中を正しい方向へ変えて行くモノ達は、名前を出さない、名を残さない

ファーストペンギン。

 

因(ちな)みに、ファーストペンギンって誰がなるか、その都度変わって、

決まってないんだってよ。

 

 

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