草生え

 草引きの話しをするためには、その前に草が生えているとはどういうことか、

“草生え”の話をすべきだと気が付いた。

 

 テレビで、先週に引き続き議員のセクハラ問題についてやっていた。

おー、素晴しい典型的な“草生え”の見本だった。

 それは何かというと、

返事をしない。問題のすり替え。自分本位な解釈。失礼。快楽主義。

自分にとって都合の悪いことのもみ消し。人の身になって考えることがない。

 

 具体的な話。

1年前に視察研修という名目で議員達が、2泊3日の温泉に出掛けた。

その際、バス会社の研修生が先輩のバスガイドに勉強になるからと誘われ同行した。

その夜の懇親会と称される宴会で、議員の一人が酒に酔い、その研修生に絡(から)み

ついた。

胸を揉み掴み、スカートの下から手を入れた。

その時の写真がある。

公費を使っての研修視察旅行の内容もはっきりしない。

 テレビ局の人が、その議員に取材を求めた。

自宅に行った。居留守を使う。   都合の悪いことからは、逃げる。

議員の姿を見つけ

「あのー、〜先生ですよね」

「無言」(返事をしない)

「あのー、〜せんせいでしょ?」

「何だ、お前は!」(答えになっていない)

「〜先生ですか?」

「答える必要ない!」

 自分にとって都合が悪く、旗色が悪いと途端に機嫌が悪くなり返事をしない。

こういう人に限って、自分に都合のいい人、気に入った人に対しては、相好を崩す。

 

 胸を触ったり、スカートに手を入れた女性に対して

「何を今更そんな話しを持ち出すんだ。もう終わった話じゃないか!」とノタマウ。

その女性にとっては1年経っても、その嫌な記憶は消えることがなかった。

議員たちは、自分の都合で終わらせたいかもしれないが、終わってはいないのだ。

その他の議員も同じ穴の狢(むじな)で、同等の話し方をする。

「皆、楽しんでた。あの女も嫌がっていなかった」

「これは、イジメだ」

 そう、イジメの構造がここにある。

嫌がる女性(弱者)に対して自分たちが、どんなに卑劣で失礼な残酷な真似をしたのか

自覚していないのだ。

ただ面白がって弱者に不埒(ふらち)な真似をして、相手の気持ちになって考えるなど

以前の精神構造なのだ。

「嫌なら嫌だとその時言えばいいじゃないか!子供じゃあるまいし!」

 もし、その時、その場でその女性が嫌だと騒いだと言ったら、その議員たちが、気分を

害さずにすんなりおとなしくなったとは思えない。

 その女性は、「いくら、止めてくださいと言っても強い力で押さえつけられて、怖くて身

動き取れなかった」と言っていた。

「人権侵害だ。捏造(ねつぞう)だ。でっち上げだ。ヤラセだ。」と怒る議員たちに

直接スタジオで話してもらおうということになった。

出演依頼の電話をした。

「みんなで検討してから決めるので、答えは待ってくれ」と議長は言った。

「何時になったら、答えが出ますか?」

「12時には分かるので、電話してくれ」と言ったが、12時に電話をすると出ない。

その後も、電話するが何回電話しても出ないか、接続されていない。

緊急議会が非公開で行われたが、会議室から出てきた議員は、レポーターの質問に対して

誰一人答えない。返事しない。

 人の揚げ足を取り、騒ぎ立てる捻じ曲がった子供がいる。

「それでは、自分の意見、見解を述べてみよ」と水を向けると、急にオトナシクなって

コソコソと隠れてしまう子供がいる。

「答える必要はない!」と議員は言ったが、公人(こうじん)とは、公(おおやけ)の人

と書く。

聞かれたことに返事をする、答える義務があるのだ。

 草が生えてボウボウな人に、権力を持たせてはならない。

 

次回は、草引きに入ります。

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