メダカが…

 

 頻繁に鳴いていた雉(きじ)の声が、落ち着いた気がする。

蛙が鳴きだし、メダカ広場に小さなオタマジャクシが泳ぎ出した。

 連休明け、田んぼに水が張られ田植えが始まった。

今年の田植えは、例年に比べ大分遅い。まだ植えられてない田んぼもある。

少し前に、田んぼのポンプの金具が盗まれる事件が相次いでいるので気を付けるように

という有線が流れていたのでそのせいかと思ったが、ポンプが故障していたらしい。

 それにしても、水田は清々しくて、心が晴れ晴れする。

 

 メダカが4月末から卵を産み始めて、キャッホーだ。

一時寒い日が続き産卵が減ったが、もうジャンジャン産む時期に入った。

 メダカはあげないが、メダカの卵をあげている。

それを楽しみにしている人は多く、私はビニール袋を用意して待機している。

毎年、200枚の袋が一つ以上なくなる。ということは、200人以上が卵を持って

行っているということだ。

そこで薀蓄(うんちく)能書きを垂れる。それも私の趣味の一環、なのだが、メダカを

見せた時に聞く言葉に、気に入らない言葉がある。

それは何かというと、

「これを飼っていて何になるんですか?」「これから、どうするんですか?」

「盗まれませんか?」

 その言葉を聞くと、正直、つまんねえ奴だな。と思う。思ってしまう。

何かの役に立たなければやる意味ないんかい?

これから?って、何時だって今が面白いんじゃん。

盗まれる。って?

まあ考えない訳じゃないけど、人疑ってたらキリ無いし、疑うのは自分にそれをやる

気持ちがあるから出るって、フロイドが「透写の原理」で人を評価する時自分の気持ち

を投げかけ透写してるって言ってる。

起きることを想定し気を付けるのは必要不可欠なことだけど、考えてもどうしようもない

ことは覚悟を持って、起きた時に対処すればいいんじゃないかな。

先の事考えて考え過ぎて二の足踏んでやらないのって、私は好きでない。し、疑心暗鬼

で生きるのも嫌だ。

 なーんて、言ってたら、メダカが居なくなった。

それも、スーパー幹之(ミユキ)と鉄仮面、ダルマ、ブルーマリンのメス。

気のせいじゃないかと言う人が居たが、毎日見てるからねぇ、分からない筈がない。

それがね、最初ガッカリしたんだけど、すぐにまっ、仕方ない。ってなった。

そして、失くした金貨(聖書)を思い出した。

<失くした金貨>

 金貨を私は持っている。嬉しい私の宝物。大事な大事な私の金貨。

ある日、金貨がなくなった。何処へ行ったの私の金貨。

探したけど見つからない。探しても見つからない金貨はホントにあったの?

探して探して、現れた金貨。

 やっぱり金貨はあったのね。

さぁ、みんな喜んで下さい!私の金貨が見つかったのです。

 やっぱり金貨はあったのです。

この金貨で、みんなでお祝いしましょう。

 

メダカが、それも大事なやつばかりが居なくなって、あーそうか。って思うようにな

ったんだよね。

他のヤツがイッパイいるんだけど、比較じゃないんだな。

何て言ったらいいのかな、あー、そうなの。って感じなんだよね。

 

 メダカ広場で、どういう人が持って行ったんだろう?って話になるんだけど、

色んな意見が出て面白いよ。

 盗みは病気で、病気に罪はないが、治療と本人の治そうという意志がないとどうにも

ならないんじゃないか。とか、

「許せない!」と言う人と、虐待の連鎖の話になって、被害者から加害者になった人に

当事者以外に、人に許すとか許せないという権利はあるんだろうか?

なんて話になって、今年もドバトの夫婦が来ていて、一緒に聞いてる。

 

気に入らない言葉って、イロイロ考えるきっかけになって面白い。

 

 

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