ミツバチの羽音と

             地球の回転

 

 3月11日、叔父が危篤だと聞いて両親と病院に行った。

病院の4階で地震。黄疸が出て意識のなくなった叔父。

「麻子よ、まだ、亭主の頭に水かぶせてんのか?」

「オジチャンな。ガンなんだけど、酒とガンと闘わせてやったんだ。

そしたらガンが負けてなくなっちゃったんだぞ」と得意そうに言っていた叔父は、

ガンで半年の命と宣告され、一応忠告されていた酒を飲み続け、ガンは消えたらしい

が、肝臓がやられて肝硬変肝ガンになった。叔父は、その晩往った。

 半年と宣告された時から7年が経っていた。

 

 その晩から電気のない水の出ない(何処の家もそうだった)娘の家の泊まり、我が家の

井戸水を配り、めちゃくちゃになった家の中と仕事場の片づけを何日もかかってする。

 地震の被害で遅れた叔父の葬式が行われたが、あんなに可愛がってもらったのに涙が

出なかった。あの頃は現実感がなくなっていたのかもしれない。

 従兄の子が29歳で、心筋梗塞で亡くなったと聞いたのは、それから間もなくだった。

遅れたその葬儀に出席し友人の弔辞を聞いて、何かが壊れたみたいになった。

 帰り道で叔父の家の近くになった時、あー、あそこの家に叔父は、もう居ないんだ。

と思った瞬間、悲しみが吹き出した。

 その翌日、義母が危篤だと電話が入る。

その翌日、義母、永眠。

 金曜日に告別式が終わった。

土曜日、孫が風邪で何日も眠っていない娘に変わって一緒に寝る。

咳と嘔吐で眠りについたのは明け方。

孫一家が帰り、昨夜は久しぶりにグッスリ眠った気がする。

 今朝、孫の咳が止まり何日も続いていた下痢も止まった。と、電話が入った。

よし!これで、心おきなく書き物に入れる。

って、まぁ私“過剰書字”(いつでも書かずにはいられない気分障害の一症状)なんで

書き物をしないってことはないんだけどね。

 あの地震のあったあれから、色んなことを書いた。原発の仕組み。放射能のこと。

差別と区別は違う。とか、インフームドコンセントは、聞いても耐えられる精神力が必要。

だとか、

“ドキュメント東海村”の帯に「“怠慢”と“惰性”が招いた二大事故そこに現代社会の

病巣が見える」とあった。 事故が起きる仕組みと流れは、みんな同じ。原発災害は人災。

今日のBSで西部劇をやっていて、そこにジョン・ウェインが出ているのを見て、

“ジョン・ウェインはなぜ死んだか”という本を広瀬隆氏の書いたことを思い出した。

 アメリカは、西部劇の撮影現場のすぐ近くで核実験をしていたんだ。というか、核実験

した近くで撮影が行われた。

そして、そこで映画を撮った人たちは、みんな被爆した。

体内被曝が体外被曝の比でないこと。とか、放射能もスゴク怖いが、プルトニュウムは

もっと怖い。とか、夢で見たお知らせのこと。とか、詩みたいなのも出てきた。

偶然の一致(?)なんだろうけど数字の一致。なんかを書きなぐった。

でも、それらは何だか出したくない、出してはならない気がした。

まだ、時期じゃないんだろうな。

 どーしたらいいかなぁー。と考えながら、今まで家の中の整理整頓をしていた。

そしたら、黄色いパンフレットが出てきた。

“ミツバチの羽音と 地球の回転”

 このパンフレットを貰ったのは、何時だったか。

パンフに20011年2月19日(土)より 未来を作るロードショー

 とあるから、その少し前あたりか。

 

 あー、この頃はまだ地震が来てなくて、フクシマ原発はあんなことにはなってなかった

んだ。

 で、そこに色んな人が書き込みしてる。

いいねぇ。

 今日は、それを、そのまんま写して終わりにしようっと。

 

“ミツバチの羽音と 地球の回転”鎌仲ひとみ監督

<映画のあらすじ>

 瀬戸内海に浮かぶ祝島の真正面に、

原発建設工事の話が持ち上がって28年。

島民は一貫して建設に反対してきた。

島では海藻や鯛を取り、無農薬のびわを栽培して

千年も前から生活が続けられている。

もっとも若い働き手孝くんは妻子を抱えて自立を模索している。

その行方を阻むように着々と勧められる原発計画。

島民は一体となって阻止行動に出る。

孝くんの眼差しの先にはスウェーデンの取り組みがある。

足下にある資源で地域自立型のエネルギーを作りだす。

スウェーデンの人々が目指すのは持続可能な社会。

それを支えるのは電力の自由市場。

原発重視かつ電力独占体制の日本のエネルギー政策を

変えるためにはどうしtらいいのか?

そして祝島の未来はどうなるのか?

 

<コメント>

言葉も電気も食べ物も、すべてエネルギー。

どこで産まれて、どこへ行くのか。

それは人間の生活、

そして命そのもの。Shing(ミュージシャン)

 

生存権の一つとして、何によって作られた電気を使うか、

核なのか、風なのか光なのか、選ぶ権利があるはず。

          坂本龍一

 

世界をたった一つの思考法が覆い尽くしている。

その思考法と向き合い、成人のための「祝島型モジュール」を生き延びさせ、

それらをたがいに結び合わせていくこと。

それだけが、人類の命運を変えうる唯一の道。

         中沢新一

 

気付いた人たちが確かな行動を起こしている。

その事実に出会う時、私達は知恵と勇気を分けてもらえる。

そして、野花を子瓶に飾るようなユーモア。

今、この国にとって最も重要な映画だと思います。

UA

 

この映画は思考停止した頭を回転させてくれる。

エネルギーを選べる時代にしよう、一刻も早く。

          上田壮一

 

米も欧も中国も、またアラブでさえ、化学燃料の急騰に備えて手を打っています。

日本だけが、化学燃料と原子力に固着しています。

この映画でそれを気付いて下さい。 森摂

 

この映画を観れば多くの人が、祝島の人々に共感し、

脱原発、脱石油の世界は可能だという希望を抱き、

持続可能な世界に向けて思考も行動をシフトしていくだろう。

私自身がそうだったから。   関野吉晴(探検家)

 

今後10年日本の環境政策はこの映画を観た人たちが実現するに違いない。

だから観てください。環境のためにも民主主義から政治を逃亡させないぞ。

ポジティブでアクティブになれるのが鎌仲映画のいいところ。

         マエキタミヤコ

 

石油幻想から原発幻想への綱渡りоrミツバチの羽音と地球の回転。

人類の未来はどちらに!

       辻信一(文化人類学者)

 

 あー、夕方だぁ。パンフは老眼鏡が必要で、パソコンは外さなければならない。

あと20以上あるけど、もう写すのがイヤになった。最後にこれを書いてオワリ。

 

アソコガワカレメダッタ…。と30年後に言われそうな

キワドイところに僕たちは今いるような気がしてなりません。

だから、この映画…なのだと思います。

         藤村靖之(発明家)

 

 すげー、この前と同じ。

終わりにしようとしたら、地震。

今日も見直ししないで載せっちまうべ。

 

 

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