6年前の地震の時

 

あの地震が起きた時、何と思ったか?という質問に答えている人をテレビで見ることが

ある。

 私は、何と思ったか。

「あー!やっぱり、ついに来たか」だった。

 

 あの地震の5カ月前、広瀬隆氏の原発についての講演を聞きに行った。

秋口の寒さと、話の内容の恐ろしさに震えが来た。

 ハッキリ言おう、2001年の3月18日に私がおかしくなって救急車で運ばれた時の

エンジンが唸りを上げてどうなるか分からない恐怖と、広瀬氏の“原子炉時限爆弾”の話

の恐怖は、一致していた。

その本は、恐ろしくて読む気がしないので受付の本をスルーして帰宅したのだが、そこの

関係者が届けてくれて、一気に読むことになった。

その4ヶ月後、2011年2月に入って私の何かの歯止めが切れた。

来る人来る人、話が通じそうな人に「原発はすぐに止めないと大変なことになる」と力説

していた。

 と、同時に新店舗の話が突然浮上した。

私にとっては色んな事情から願ってもない話だった。

しかし、「決めごとはお彼岸が過ぎてから」という子供の頃から言い聞かされてきた

教えを守り、契約は3月末にするつもりで居た。

でも、その頃地震が多かったからだと思うが、階段に飾っていたステンレスの自転車

が落ちて真っ二つになったのを見た時(あ〜、この話は流れる)と思った。

気に入っていた自転車だった。

やっぱり、地震でそこの話は流れた。

 

 原発は止めなければならない。という話は、商売の妨げになると思って、なるべく

話さないようにしてきたのだが、話してみると案外原発反対の人が居ることが判明。

言っても分からないだろう。と勝手に見くびるのでなく、取り敢えず話すことに決めた。

私が原発に恐怖を覚えたのは何時の頃だったんだろう?

 チェルノブイリの原発事故の前かな、風が吹く日という絵本に出会ったのは。

レイチェル・カーソンの沈黙の春を読んだのは、何十年前かな。

 

 家に生活クラブを運ぶ友人雅美。

この人に私は勝手に何かの縁を感じているのだが、最初に話した時、彼女も(あー、つい

に捕まっちまった!)と思ったらしい。

そいつには何回も原発について話しているのだが、どうしても私の言うことを理解し

ようとせずにきていた。

 理解出来ないのではない。どうしても、頑として理解しようとしなかったのだ。

それに、私は心底腹が立っていた。

 地震の1週間前に話した時は「もう、お前とは話しない!」と怒鳴って、もう二度と

やつとは原発の話はしないと決めた。

なのに、3月10日に注文書を取りに来た時、どうしても我慢できず

また「原発は、今すぐ止めないと大変なことになる」と力説し出した。

すると、私は覚えていないが、やつは

「そんなことより表に出て見てよ。夕焼けが異常に赤くてスゴイから」と言ったらしい。

そしたら、

「何をそんな流暢なことを言ってるんだ!本当に大変なことが起きるんだからな!」と

怒鳴る私の後ろに、怒りの炎が上がるのを見た。という。

 私も、(テメェは何故分からないんだ!)という怒りで怒鳴った事は鮮明に覚えている。

夕焼けは好きなのだが、それどころではない所に自分は居た。

彼女は、私の後ろから炎が上がるのを見るのは初めてではなく、以前は家族ぐるみの

虐待があった話をした時にそれを助ける立場の人が「そんなこと考えんでよろしい」と

言った時、私の後ろからそこの天井の方まで炎が上がるのを見たという。

「あれは恐かった」と雅美は言うが、スゴイな、あいつあれだけ私が怒鳴っても友達な

んだぜ。

だけど、最近原発についてちゃんと見聞きし、考えるようになった。

人って変わるんだな。

 

地震の時、両親と叔父の危篤に立ち会っていた。

叔父はその晩亡くなった。

 地震からの混乱で、葬式は3月18日になった。

翌年の3月18日、叔父の妻である叔母が亡くなった。

 

生きていくというのは何層にも分かれていて、仕事や人間関係が、時空列で繋がり偶然

なんだか不思議な一致を見せる。

 私は、母の腹に1954年の3月18日に入った。らしい。

二女は、1980年の3月18日に腹に入った。これは間違いない。

1954年の3月1日アメリカのビキニ環礁水爆実験で、3月18日にゴジラが

目覚める。映画の話だが、自分もまだこの世には出ないが生を受けていたんだなぁ。

 その47年後、2001年の3月18日、私の何かのスイッチが入る。

一番好きだった従兄が、1953年の3月18日生まれ、

という話をしていたら、数少ない友達の一人(399、友達)妙が、「キモチワル!」

っと、言った。

彼女は、1952年の3月18日生まれだった。

 

げげっ、明日は3月18日やんけ。

 

 

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