七夕当日

 

 七夕と重なった神の目の話をすると、

「じゃあ、絶対見なくちゃ!」その人は目を輝かせた。

「でも、その願いってお金が欲しいとか、何かが出来るとかっていうレベルじゃない

みたいよ」と言うと

「どういうこと?」と首をかしげた。

「どう説明したらいいのか分からないんだけど、それがその人に本当に必要で、自分が

思っている欲の願いじゃない、んー、何て言ったらいいかなぁ。

自分では気が付かないでいたんだけど、持って生まれてきた願いのようなことかな?

それは、何か失敗してすることかもしれないし、嫌な人との関係が出来ることかも

良いこともあるだろうけど、良いことばかりじゃないのかもしれない。

でも、自分じゃ分からないけど、それは、本当は、経験したかった苦労や辛さなのかも

しれない」

「何だか、分かんない、でも、昨日は曇っていて星が見えなかったけど、

今日も、見えそうにないんじゃない?」

「そうだねぇ、だけど、その雲の上には星が広がっているんだよねぇ。

私も七夕になると星が見えたらいいなって思ってるけど、

知り合いに全盲の人がいるんだけど、その人にとっては、曇りでも雨で関係なく七夕が

楽しめるんだよね。

その人を見ていると、目が見えるってある意味、不自由なのかもしれないって思うんだ。

なまじ目で見ようとするから、星が見えなければいけないって思ちゃうんで、

ちょっと考えを変えて目を瞑って心でイメージすると、何時でも星は輝いているんだよね。

例え今此処が昼間でもね」

「話が大きいなぁー、もう」

「でも、話は大きい方が気持ちよくねぇ?」

「そうとも言える」という話をした。

 

「あたしさぁー、七夕とかの願い事ってよく分かんない」という人が居た。

「だってさぁー、誰かが願うのと反対の願いをする人ってのも、居るわけじゃない?

例えば、オバアチャンが、孫が欲しいって願ったとするでしょ、

でもって、その嫁は、子供は要らなくて二人で暮らしたいと思ったとするでしょ、

そしたら、どっちの願いが優先されることになるの?

若しかして、一人の人を二人の人が好きになったとして、恋人になりたいって願った場合

どっちの願いが優先になるの?

誰かの願いは、誰かを悲しませることって結構あるよね」

それを聞いて、神の目の話をした。

そして、

願わなくても願いが叶うのだけれど、それは、一時の自分レベルの願いでなく、

その人にとっての本当の、っていっても分からないかもしれないけど、

本当に必要な願いが叶うんじゃないのだろうか?…、と話した。

「そっかぁー、そしたら願いが叶う辻褄が合うよね」とその人は言った。

                   あーあ、また小難しい話になっちゃったよ。

 

 でもさぁ、午後から天気は回復してきて、今夜は星空が見られそうじゃない?

やっぱり、楽しみ(^−^)

 

♪笹の葉サラサラ〜軒端(のきば)に揺れる、お星さまキラキラ、空から見てる♪

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