タイタニック
奴(亭主)と豪華客船が沈むやつ、何だっけ…?を一緒に観た。
それは、久しぶりの、というより、奴と一緒にこういう映画を観たことは、今だかつて
なかったと思う。
そして、初めての映画観賞で男と女ではというより、私と奴とでは、観ている部分も
見方も全く違うのだと、改めて確認させられることとあいなったのである。
奴はストーリーをちゃんと見ていない。
だから途中で、「これはどうして、こうなるんだ?」という質問がやたら多い。
参ったのは、映画の作り方(ハード)にばかり興味を持って
「これはどうやって、撮ったんだ?」という質問が随所に入るため、盛り上がった気分が
一気に損なわれる事だった。
一番腹が立ったのは、クライマックスで氷の海に投げ出された二人のシーンで
男が女を助けようとしながらも、力尽きて沈んでいくという感動の時に、
「オイ、あいつら本当にあんな冷たいところに入ってんのか?
俺はいくらもらってもイヤだな、あいつら幾ら位もらってんだ?
やつら、風邪ひかなかったのか?」などと、矢継ぎ早に質問してきたのだ。
その時の私は、「あれは、CGなんだからあんたが余計な心配しなくていいの!」
「あんたが、すぐ氷水に飛び込む位もらってるよ!」
「風邪ひいたかどうかなんて、わかんねえよ!」等々答えながら、
客船の中の車に2人が入りこんで仲良しをする場面の時にも
「なんで、ガラスが曇ってんだ?」とまぬけな質問をされ
「二人の情熱が湯気にでもなってんでしょ!」と、ちっとも気分が盛り上がらないでしま
ったことを思い、
「あー、これは一人でゆっくり観直すしかないな」とあきらめた私だった。