ヨーグルト

 

 参ったぁ。

ヨーグルトが死んだ。

 立川さんに貰ってずっと繋いできたカスピ海ヨーグルトが、グズグズになって固まらず

何やら別のニオイになった。

 それも2回続けてで、もう種も無くなってしまった。

 

 私はヨーグルト作りが上手だと自負していた。

ウチのヨーグルトをあげて「何だか固まらないのよ」という人に、

「静かに寝かせていないんじゃないの?」などとエラソウに言っていた。

 それが、自分がグズグズにした。

どうしてなのかと考えた。

 冬の寒さのせいでヨーグルト菌が繁殖しなかったか。いや、風呂のお湯に付けたから

それはない。

 ヨーグルトが古くなったのか。いや、前にも古いのを使って大丈夫だった。

云々カンヌン。

 そして、ハタと気が付いた。

何時も夜に作るのだが、今回は朝に作って途中で固まっているかな?と、“動かして”見た。

 あちゃー、これだ!

 

 一晩で出来上がったヨーグルトは、ビンの中で豆腐かモツァレラチーズみたいにしっか

りと固まっていて、牛乳だった時よりずっしり重く感じるのは子供が眠った時みたいだ。

 それは見事で、出来上がったばかりの酸味のない乳臭いヨーグルトを食べるのが楽しみ

だった。

 あーあ、『だった』と過去形で言わなければならない。

 

 私は、人に、子供やメダカの水、ヨーグルトの話などで何度、

「環境を整えたら後はもういじるな、触るな、何事も自ら出来上がっていくのだ。

手出ししないで待つということは、それは自分との戦いだ」と言ってきたことか。

 なのに、出来てるかなぁ、とアホ面下げて動かして、シッパーイ。それも2回。

 

昨年の暮れ、西側に出来たデッキに、東の二階に20程置いてある水甕の一つを移動

した。

人にメダカを見せたいという理由で。

そして、その甕の中のメダカが半分以上死んだ。

 動かしちゃいけねえんだよな。そこで落ち着いてるんだからさ。

 

最近のワシ、ちょっとぬるくなってないかい?と思う。

こんなことじゃダメだ。と、まぁ自分に思うのは勝手だが、人の動向を気にして

これはこうやるべきだ。などと語りながら、いざ自分を振り返ってみたらこのザマだ。

 最近、人と話していて“照顧却下”という言葉を思い出した。

“看却下”ともいい、自分の足下を照らし看よ。顧みよ。ということだ。

 

 どういう訳だか、自分は失敗しないと胸を張った瞬間こける気がする。

ゴルフの時なんか、分かったつもりで人に教えた途端オオダタキになる。

以前、ある人が、自分の家族は風邪をひかない。風邪などひくのは食生活や生活習慣が

なっていないからだ。と言っていたが、その直後家族全員で風邪に罹り、受験生も試験を

受けらないという騒ぎをしていた。

 それを見て、調子にのるなよ自分。と言い聞かせたことを思い出した。

 

 以前、庭で草を引きながら出て来た一句が、

“人いじりしないで 土いじり 庭いじり”

 なんだけど、母が昨年の秋に色んな球根を植えた。が、

楽しみで、やることないもんだから芽が出てるかな?と土を掘って見てみたそうな。

 そしたら、掘ってみた所が全滅で芽が出てこない。

掘らない所の端の方は元気な芽が出ている。

 花もいじられないコボレ種の方が良く育つんだよね。

 

 なので、

“ヨーグルトいじらず メダカいじらず 水いじらず 花いじらず 子供いじらず”

いじる。って、いじめる。に似てる。

            おそまつ

 

yo-guruto.html へのリンク